品質管理は、顧客に提供する商品およびサービスの品質を向上するための、企業の一連の活動体系。品質管理には、広義・狭義の品質管理がある。広義の品質管理は、マネジメントとしての品質管理のことを指し、品質マネジメントとして知られ、JISでは「品質要求事項を満たすことに焦点を合わせた品質マネジメントの一部」と定義している。狭義の品質管理は、コントロールとしての品質管理のことを指し、JISでは「品質保証行為の一部をなすもので、部品やシステムが決められた要求を満たしていることを、前もって確認するための行為」と定義している。
生産現場で「品質管理」と言えば、一般に狭義の品質管理を指していることが多い。品質管理は第二次世界大戦後に構築され、不良品ゼロを目指すための品質管理活動として、1960年代頃から世界の製造業の現場に広く普及している。製造業において「品質」と言う場合は、「設計品質」と「適合品質」の二つがあるともされ、設計品質とは設計者が目標として狙った品質のことをいい、適合品質とは実際の品質のことである。そのうち生産現場で扱うのは適合品質ということになる。適合品質を高めるためには、ばらつきと偏りを小さくしたり少なくしたりすることが重要となる。
日本の消費者にとってみれば、品質は良くて当たり前のことと感じられており、生産現場ではこの要求に応えるために品質管理がより重要となっている。日本の製造業の中には、「品質至上」を原点としたり、企業理念として掲げている企業が多数ある。
日本ではQCサークル活動と相まって、改善とも密接に関わる。製造部門にとどまらず、サービス部門や管理部門など全社的にQC活動を広げた活動を、TQCと呼ぶ。このTQCが発展したものがTQMである。1990年代にアメリカで広く普及し、アメリカの製造業の復活に大きく貢献したとされる。
日本企業ではQCは七つ道具がある。QC七つ道具とは管理を行うにあたり、現象を数値的・定量的に分析するための技法である。いずれも可視化によって、誰にでもすぐに問題点がわかったり説明を容易にすることを狙っている。QC七つ道具はグラフ、ヒストグラフ、管理図、チェックシート、バラート図、特性要因図、層別、散布図である。グラフは目で見てわかりやすく、全体の状況を早く正しく知るために作成されるものである。ヒストグラムはデータの傾向を判断できるようにするツールであり、データの集合に対して平均値・分布を読み取るためのもの。管理図は工程の管理を行うためのツールであり、チェックシートは確認要点事項を予め抜粋しまとめられたツールである。パレート図は工程改善に用いられるツールである。工程で発生している問題を原因別・損失金額別などに分類し、その件数の大きい順に並べて棒グラフおよび累計曲線を図に表したもの。特性要因図は問題抽出に用いられるツール。ある問題に対して関連する原因の洗い出しを行うため、問題とその発生の原因だと考えられる事項とを矢印で結んで図示したもの。散布図は2つの対となるデータを横軸と縦軸としてプロットした図である。散布図は2つの変量の相互関係を可視化するのに有効な手法である。層別はデータを同質なグループごとに分けて分析するである。
日本企業は品質管理を非常に重視し、前述したQC七つ道具を生産に応用し、製品の品質の向上を求めている。製品の生産を数値的・定量的に分析して、製品の品質を厳しく管理しているからこそ、日本企業は世界に進出できるだろう。下载本文